「封筒展開データ」を使用して、窓の周りに淵のある窓枠印刷をする場合のデータの作り方を紹介します。
封筒の印刷用データの作り方は、一例にすぎません。ソフトの操作方法・データの作り方に対しての質問にはお答えしておりませんので、ご了承下さい。
まず、今回使用する「封筒展開データ」の寸法について整理しておきましょう。 ・封筒形状:和封筒 センター貼 ・各寸法:幅 118ミリ、天地 230ミリ、ベロ 25ミリ、窓寸法 43×90、位置 左から 18ミリ、底から 30ミリ
デザイン制作時に「寸法線」がじゃまになるので、レイヤーを非表示にしておきます。 また、作業前に必ず「表面デザイン」レイヤーを選択しておきましょう。
「窓枠」の印刷用データを作る場合、考えなくてはならないのが窓の周りに作る「淵幅」と窓の内側への「塗足し」です。 (補足)印刷での「塗足し」は標準で3ミリです。
イラストレータのツールボックスから「角丸長方形ツール」を使い、「窓枠」用の角丸長方形を作ります。
<考え方> 今回は、窓の周りにできる淵の幅を全て5ミリにして、角丸は標準的な3.5ミリで作ります。 窓の横寸法 43ミリに対して、左右5ミリづつの淵幅が角丸長方形の幅。 窓のたて寸法 90ミリに対して、上下5ミリづつの淵幅が角丸長方形の高さ。
<計算> (角丸長方形の幅)=43+(5×2)=53(ミリ) (角丸長方形の高さ)=90+(5×2)=100(ミリ)
これらの数値を、表示された「角丸長方形ダイアログボックス」に入力し「OK」をすると、画面上に角丸長方形が描かれます。
次にこの角丸長方形を動かす位置ですが、「封筒展開データ」の表面は全て封筒仕上り時の左下に「定規の原点」が来るようになっています。 したがって、「窓枠」位置は「変型パレット」を使用することで容易に決めることができます。
角丸長方形を選択してから「変型パレット」の「参照点」を左下にセットして下さい。
「参照点」のX座標には窓位置の左からの値から窓の周りにできる淵の幅「5ミリ」を引いた値を、Y座標には窓位置の底からの値から同様に「5ミリ」を引いた値を入力して下さい。 参照点(13,25)
これで「窓枠」の淵が窓に対して上下左右均等に配置されました。
現状の窓枠はベタのみになっていますが、中を白く抜くことで窓の中に対し適した塗足しが作れます。(窓に対しての内側塗足し) 先ほど同様に、角丸長方形ツールを使います。
<考え方> (補足)印刷での「塗足し」は標準で3ミリです。内側に作る場合も同様に考えます。 窓の横寸法43ミリに対して、内側に左右3ミリづつの塗足し分を引いたものが角丸長方形の幅。 窓のたて寸法90ミリに対して、内側に上下3ミリづつの塗足し分を引いたものが角丸長方形の高さ。
<計算> (角丸長方形の幅)=43-(3×2)=37(ミリ) (角丸長方形の高さ)=90-(3×2)=84(ミリ)
これらの数値を、表示された「角丸長方形ダイアログボックス」に入力し「OK」をすると、画面上に角丸長方形が描かれます。 (注)塗は「白」、線は「なし」
「窓枠」部分同様に「参照点」のX座標とY座標に適した位置を入力することで位置が決まり「窓枠」の封筒に対しての印刷用データは完成です。 参照点(21,33)
「窓枠」データ出力時の注意
PS対応プリンターでの出力時
4個のレイヤー全てを表示した状態で出力する事で「出力校正紙」として使え、寸法線が入っている事で「封筒作成仕様書」としても使えます。 実際に封筒の形にカットして折ってみると原寸でのイメージを確認でき、フィルム出力前にデザインミス等のトラブルを防ぐ事ができます。
イメージセッター(フィルム)での出力時
フィルムに出力するものは、各トンボと印刷用のデザインのみです。各トンボは「トンボ」レイヤーに、印刷用のデザインは「表面デザイン」に入っています。 したがって出力時には元データをコピーしたうえで、必要の無い他の2レイヤー(「寸法線」「表面展開図」)を非表示又は、削除したデータを 別名で保存しフィルム出力用としておくと、トラブルを少なくできます。
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